プログラミングと組織構築
仕事のやり方を設計する
新しい組織の立ち上げにおいてその組織内での一部の業務の責任者として業務の回し方を設計しました。
自分でやるならなぁなぁで良いんです。一丁目一番地を抑えれば、あとは交通整理してえいやーで仁義を切って鉛筆なめなめすればなるはやで大体のコトは終わりますし、おっさんビジネス用語ビンゴもだいたい全部穴が空きます。自分でできるので、再現性もまぁあります。
だけど自分一人では一日8時間分しかできないのです。それでは仕事は終わりません。
だからみんなができないといけません。そして誰がやってもある程度のレベルにならないといけません。かといって細かく指図しすぎると受け手が脳死して成長が停止してしまうので、適度に自由度もありつつ、やばいところだけ抑えられる、そんな仕組みがほしいのです。
しかし、そんな仕組みが仮にできても、同じことをしていたら人は徐々に怠慢になってくるし、机の上も汚くなってきて、大事な情報がどこかに埋もれて、状況が見えなくなって、だんだんどうでも良くなってきて、収集がつかなくなってきます。よって、収集がつかなくなる前に整理整頓できるよう、仕事の全体像が見えやすく、ヤバイことがヤバイと早く気付ける様にしておいて、ちょうどいい感じにハッパをかけたり、あえてギリギリまで放ったらかして焦らせてみたりしたいのです。
また、世の中の様々な変化に対応するために適度にチューニングができる様に、仕組みを複雑にしすぎないことも大切です。そのためには変えたいところだけ取り出して入れ替えても全体に影響しない仕組みになっているとなお良いです。
というわけで、キーワードは、誰でもできる「標準化」、全体が見渡せる「構造化」、複雑にしすぎない「単一化」という感じでしょうか。こんな組織の業務設計ができると、働きやすい、強めの組織になれる気がします。
そして「これやっといてー」だけでコトが済む、夢のマネージャー生活が始まるはずなのです。
ほら、似てる
プログラムを書くときに考えることとほとんど同じなんです。
「とりあえず動けば良いからと先のことを考えないで作ってしまう=なぁなぁで自分でやってしまう」これをやるとその場はうまく行きますが、似たようなことが繰り返されるときに面倒くさいし、発展していったり修正が必要になると破綻してきます。なので、「再利用可能な構成にする=みんなができるようにする」ことで、類似の処理を効率的にできるように、また、処理のやり方を変えるときも一つ変えればみんな変わる様にできるので、破綻しづらくなります。つまり標準化です。
だんだんプログラムが大きく複雑になってきたとき、どこに何が書いてあったかわからないと、バグがあっても見つけるのが困難です。新しい機能を追加するときもどこにどんな関数を作っていたか見つけられないと、似たような関数をもう一度作ってしまったりして非効率です。木を見て森を見ずとか鳥の目虫の目とか言ったりしますが、要するに全体像を見渡せる構造化です。
一つの機能が複雑だったり大きすぎたりあちこちで多様な使い方がされていると、代替が効かなくなって、弱点があっても変えるに変えられずに負の遺産として君臨してしまいます。現実の業務に例えると大昔に誰かがBASICで作った謎のシステムがあちこちの業務に絡みついて新しいものに更新できない、みたいな状態でしょうか。こういうことを防ぐために、単一の小さなものを積み重ねて使う、と言う様にしておく方が、変えたいときに小回りがきいて良いと思います。
今流行りのリスキリングを兼ねて、世の中のおじさんはみんなプログラミング勉強したほうがいいのでは。会社潰れても仕事にありつけるかもしれないですし。みんなで「なるはや」⇒「アサップ」に進化しましょう。
組織とプログラムの決定的に違うところ
僕は組織の歯車じゃありません。
僕らをコンピューターみたいに扱わないでください、と言われそうです。
その通りです。では、何が違うのか?
パフォーマンスの出し方が違う
プログラム書くときは、関数内の処理方法を自分で書いて、そのパフォーマンスは書いたソースコードに依存しますが、組織構築においては「こんな関数(機能、役割)がほしい」までは作っても、その中身(やり方)までは作りません。ルールとインプットとアウトプットを伝えるので処理はアサインされた方の力量に任せます。力技で行くのか、スマートな方法を考えてから動くのか、人のやつパクるのか、人それぞれのやり方でパフォーマンスを出してもらいます。ここの塩梅で、丸投げとか曖昧な指示とか過干渉とかよく聞く上司への不満を抑えつつ、単なる歯車でない人間らしい仕事ができる組織に一歩近づくと思っています。
そもそも仕事なんて好きでやっている人はそうはいないので、イヤイヤながらもちょっとでも達成感が持てたり、成長できたなって思い込めたり、結果的に世の中の役に立ってプラスな脳内物質がちょっと出るような体験になったら十分すぎるのです、給料ももらってるんだし。
すごい高い理想をお持ちなのですね。
すみません。全然できてません。口だけ番長です。
けれど、いつか来る「これやっといてー」ですべてのコトが済む世界を目指して頑張るだけです。
まとめ
組織の歯車って言うけど、そもそも歯車が噛み合うようにするのが大変。
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